グローバルグラフィックス株式会社のビジネス

 グローバルグラフィックス株式会社は、英国 Global Graphics Software Ltd の子会社で、HYBRID Software Group の業界を先導する技術を日本企業に紹介するアンバサダーです。

 他社との協業を否定し、何がなんでも自社開発を志向してきた古き良き時代の日本の大企業もまだ存在しますが、世の中に既にある優良な技術と貢献をリスペクトしライセンスしながら自社の付加価値を加え、早期に利益を上げることを志向する企業も増えている。 商業印刷ビジネスは成熟期に入っており、ラベルやパッケージセクターではビジネスの伸びは期待できるが、その他の印刷セクターからの参入者もあり、のんびりとゼロからスクラッチで開発していると、ビジネスチャンスを逃すことになる。 当社では世界を先導している海外優良企業の技術を日本の企業に紹介し、早期製品化を強力に支援しています。

 これまで当社が取り扱ってきた技術を中心に場当たり的に説明を繰り返してきましたが、当社が提供できる技術全体を総括的に理解するのが難しくなっていたかと反省しています。 そこで今回は、当社が現在取り扱っている業界を先導する技術を箇条書きに取り纏めてみました。 最初に、HYBRID Software GOUP PLC (旧名: Global Graphics PLC)の歴史を簡単に説明します。

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 ご覧の通り、当社グループでは業界を先導する技術を有する企業の買収を繰り返してきました。 これら買収により、弊社が提供できるテクノロージーポートフォリオの裾野がここ2~3年で格段に広くなりました。 次に、HYBRID Software Group PLC 傘下各社の代表する技術・製品を簡単に説明します。

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● Global Graphics Software (英国)
Harlequin Core SDK: 世界最大の印刷会社で採用されている Harlequin RIP のコア技術です。 日本でもたいへん実績の高い RIP Core です。

SmartDFE: プリフライト、バリアブルデータジョブの生成、殖版・面付、RIP、スクリーニング、インクジェットヘッドのドライブまでをシームレスにサポートするDFEです。 グループ企業の技術を連携させ、大変競合力の高い DFE をいち早く仕立てることができます。

MAKO: PDLの形式変換、情報抽出、操作、表示を提供するマルチプラットフォーム対応のテクノロジです。 当社の電子ドキュメント技術は、日本だけでも500万ライセンスを超える実績があります。

● HYBRID Software (ベルギー)
STEPZ: ラベルとパッケージ用のプリントレディーPDFの構成アプリケーションソフトです。 64-bitのMac OSXまたはWindows版が利用できます。 印刷で発生するさまざまな問題の検出や修正が行え、殖版や面付けといった印刷に必要となるさまざまな加工を行えます。 高速なバリアブルデーターの生成機能も兼ね備えており、バリアブルデーターの生成処理と面付け処理を一括で処理できます

PACKZ: STEPZの機能を強化したバージョンで、ラベルとパッケージ用のプリントレディーPDF構成アプリケーションソフトです。

CLOUDFLOW: ワークフローシステムです。 自社のワークフローを視覚的な方法で簡単に構築でき、自動化ができます。 印刷を開始するまでの時間の大幅な短縮と、ミスによる無駄・ロスを削減できるという大きな利益を得ることができます。 インストールされたサーバー上で、社内ネットワークに接続されている他のPCから、さらにはインターネットに接続される外部PCからWebブラウザでアクセスできます。 クライアント側にアプリケーションソフトをインストールする必要がありません。

iC3D: 3Dモデルを作成し、2Dのデザインを貼り付け、モックアップを作成することなく、たいへんリアルで立体的な製品の出来栄えをコンピューター上でシミュレーションするソフトウエアです。
 
● ColorLogic GmbH (ドイツ)
ColorAnt: 測色に使用するチャートの作成、測色データを最適化する使いやすいツールです。 その他に、プライマリ色の追加・変更、包括的なレポートの作成等が含まれます。

CoPrA: 高品質なプリンタ、デバイスリンク、セーブインク ICCプロファイル( Gray, RGB, CMY, CMYK, マルチカラー (15 チャネルまで))を作成します。 あらゆる色空間の組み合わせに対応できるユーザーフレンドリーなインターフェイスを備えています。

ZePrA: PDFと画像ファイル (TIFF, PSD, JPEG) のカラーを最適化するカラーサーバーです。 SmartLinkを使用してカスタム色変換プロセスを簡単にします。 既存ワークフローにシームレスに統合できるので、直ちに使用できます。

● Meteor Inkjet: 英国
メジャーなインクジェットヘッドメーカの産業用インクジェットヘッドをドライブするコントローラーボードです。 最新のプリントヘッドに迅速に対応しています。 優れた製品を市場に供給するための包括的なツールとサービスを提供しています。

 また、インクジェット印刷領域における弊社の提供技術と製品を以下に図示します。 SmartDFE の様な、コンプリートなソリューションだけでなく、各種モジュール単体でのご提供も可能です。 詳しくはお気軽に sales@globalgraphics.co.jp までご連絡ください。 是非当社グループ企業とのパートナーとなり競合力の高い製品を早期に開発し、早期に利益を上げることをご検討ください。

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MAKOの評価は簡単!

 今日も英国Global Graphics Software社の MAKO 解説の続きです。 前回は、MAKO をバリアブルデータ PDF の生成と殖版・面付けに応用する例を紹介しました。 今回は、MAKO の評価ならびに使用方法の理解を助けるために提供されているコマンドラインイグザンプルアプリを紹介します。 以下ではイグザンプルアプリの一つである makoextractor を取り上げ説明します。 このイグザンプルは、DOSのコマンドプロンプトからご利用いただけます。

 makoextractor [/Q] [/S] input.pdf (page range)

※ /Q : 高速出力が可能なインクリメンタルセーブを希望する場合のオプション。 ただし、ファイルサイズはソースファイルのサイズとほぼ同じサイズになります。

※ /S : シングルスレッド処理を希望する場合。 ディフォルトは複数スレッドで処理しますので、CPUコア数の多いPC下では高速に処理されます。

※ Input.pdf : 入力PDF

※ (page range): 複数のページ領域を設定可能。 デリミタは、コンマもしくはスペース (eg. 1-10,5-30,92,600-720,40-50)

以下の例では、4万ページからなる test40K.pdf を指定されたページレンジでファイル出力します。

makoextractor.exe test40K.pdf 1-10,100-200,1000-2000,10000-20000

dir test40K*
05/02/2022 10:07 16,262,850 test40K.pdf
22/03/2022 16:02 7,893 test40K_p1-10.pdf
22/03/2022 16:02 44,094 test40K_p100-200.pdf
22/03/2022 16:02 408,758 test40K_p1000-2000.pdf
22/03/2022 16:02 4,113,767 test40K_p10000-20000.pdf

その他、MAKO SDKでは以下に示すように多くのイグザンプルが用意されております。

Mako_examples_20230331.jpg

 MAKO 評価版は、機密保持契約書の締結だけでお貸し出しさせていただけます。評価に際してテクニカルアクセス費用等の費用は一切かかりません。MAKO にご興味のある方は、sales@globalgraphics.co.jp までご連絡ください。

MAKOの優れたドキュメント操作機能

 今日も英国Global Graphics Software社の MAKO 解説の続きです。 昨日は、MAKO のドキュメント表示機能に関して簡単に説明しましたが、それ以外に、ドキュメントの形式変換、殖版・面付け、プリフライト、最適化、バリアブルデータの生成、PDF標準の出力、分割と結合等に対応できます。

 以下に、MAKOを使用した幾つかの例を示します。

1).バリアブルデータPDFの生成
 PDF の Xobject をフルサポートしています。XObject には、ラスタ画像、テキスト、そしてベクタグラフィックスを含めることができます。この Xobject は、複数のページから、または同一ページの複数インスタンスから参照することが可能です。これによりパーソナライズしたり、1ページづつ異なる QRコードやバーコードを挿入したり、テキストを挿入できます。

Mako_VDP_20230329.jpg

2). 殖版・面付け
 ページ操作を行うための API が用意されており、簡単にページを移動、コピー、回転、サイズ変更ができます。 以下の例では、1-up のPDFをベースに 2-up のPDFを生成した例を示しています。 面付けコードのイグザンプルが、MAKO SDKで用意されています。

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MAKOの優れたドキュメント表示技術

 英国Global Graphics Software 社の MAKOを使用すれば、Windows や macOS 上で動作するデスクトップアプリ、AWSなどのクラウド上で動作するクラウドアプリ、iOS もしくは Android ベースのモバイルデバイス上で動作するモバイルアプリなどを開発することができます。
 
 今回は、MAKO の優れたドキュメント表示技術を簡単に紹介します。MAKO はプラットフォーム毎に異なる解像度に依存しない専用形式に変換して表示する技術を有しており、最新の高解像度ディスプレイ上で、鮮明でなめらかな表示を提供することが可能です。例えば、MAKO の iOS プラットフォーム用に調整されたレンダリングでは、プラットフォーム上でのハードウェアアクセラレーションを最大限に活用します。 ユーザーは、高速で流れるようなドキュメント表示エクスペリエンスを得ることができます。文字やグラフィックスオブジェクトは拡大してもジャギーにならず、表示のスクロールやパンでストレスを与えません。

以下はiPad上で動作するアプリケーションで MAKO を利用した例です。

Mao表示

MAKO電子ドキュメントテクノロジーについて

 このブログのサブタイトルは「デジタル印刷と電子ドキュメントの新潮流」ですが、もっぱらデジタル印刷に関する情報ばかりでした。しかしながらGlobal Graphics Softwareは、MAKO(メイコー)と呼ばれる電子ドキュメント技術も持っています。Global Graphicsの電子ドキュメント技術のライセンス数は、日本だけでも通算500万ライセンスをゆうに上回り、大変広く使用されております。

 この電子ドキュメント技術のルーツはJaws RIPをベースとしたJaws PDF Editor/Library/Creatorから始まり、現在ではMAKOブランド名で継承されています。Jawsは Just Another Windows Sub-system の略だとJaws RIPの開発者の一人である 5D Solution Ltd の開発者から聞いたことがありますが、やはり映画のサメを思い浮かべてしまうのは私だけだろうか。Makoは、大西洋と太平洋の強力なアオザメのことであり、やっぱりサメだったんだよねって思わざるをえない。でも深く追求するのは止めておこう。Makoは、PDL(ページ記述言語)の形式変換、情報抽出、操作、表示を提供するマルチプラットフォーム対応のテクノロジです。

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これから数回に渡って MAKO のご紹介をしてまいりたく思います。