萩さん日記
デジタル印刷と電子ドキュメントの新潮流
透過レイヤーを含む PDF 生成における問題

PDF を Distiller タイプの PDF エンジンで生成した場合、PostScript プリンタドライバで生成した PostScript ファイルを PDF に変換している。 PostScript は、透過レイヤーをサポートしていないため、透過レイヤーはフラット化された後に PDF 生成される。したがって、PostScript ドライバを使用している限り、透過レイヤーを含む PDF や PDF/X-4 は期待通りに生成できない。一方、GDI プリントパスを使用する PDF 生成エンジンの場合には、GDI 自体が透過をサポートしておらず、透過レイヤを含む PDF を生成できない。



上記の問題を回避するには、アプリケーションソフトから直接 PDF を書き出すことが唯一推奨されるのかもしれない。しかしながらアプリケーション開発者への負担は、非常に大きいものとなる。おそらく、一部のアプリケーションしかこの直接書き出しに対応できないかもしれない。もしくは WPF 対応のアプリケーションを開発し、透過をサポートする XPS を Microsoft XPS Document Writer (MXDW) で生成し、その後生成された XPS を PDF または PDF/X-4 に変換したいと思うかもしれない。

PDF のネイティブ処理は革新的な新技術?

Adobe PDF Print Engine は、透明効果など複雑なデザインやエフェクトを含む PDF ファイルを印刷機器で迅速、高品質に出力する技術だ。この利益は、基本的に PDF をネイティブに処理するようにすることで、得られるようになった。



ネイティブにという意味は、PDF 処理の過程で、中間形式に一度変換せず直接処理するということである。従来 Adobe 社の CPSI では、PDF を処理する過程で、一度中間形式である PostScript 形式に変換してから処理していた。この処理フローの欠点は、PostScript 形式が透過をサポートできないところにあった。したがって、透過を含む PDF をそのまま処理できなかった(分割・統合が必用であった)。ネイティブに PDF を処理することにより、中間形式に変換する手間がなくなり、PDF を高速に処理できるようになった。



PDF のネイティブ処理は、革新的な新しい技術の様に思うかもしれないが、果たしてどうであろう。実は Harlequin や Jaws といった RIP では、開発初期の段階からネイティブに PDF を処理しており、革新的な新技術ではなく、この PDF のネイティブ処理から得られる利益はかなり昔から得られていたのである。

XPS Working Draft 1.1 のリリース

PDF も ISO32000 として標準化が進められているようであるが、Microsoft が Windows Vista と共に導入した XPS 形式も、Ecma TC46 技術委員会にて順調に標準化が進められている。



XPS の標準化を進める Ecma TC46 技術委員会は、TC46 の Web サイトのワーキングドキュメントセクションに幾つかのアップデートをアップしています。



最初のアップは、最新のワーキングドラフト(Version 1.1) 版で、昨年の9月に発行された前ドラフト (Version 1.0.1) からの変更箇所を示しております。2番目のアップは、TC46 が現在作業している項目のリストです。 これら両ドキュメントは、前回のラスベガス(2008年月)の会合の結果を反映しております。



詳しくは、以下を参照してください。



http://www.ecma-international.org/news/TC46_current_work/TC46_available_docs.htm

PDF が ISO32000 として標準化

業界では既に既知の情報であると思っていたが、PDF が ISO32000 として標準化されることとなり、今後の PDF 仕様の策定にあたっては、Adobe 社が一社で仕様を決定できなくなるということは、あまり知られていないようである。 Acrobat の Business Development Manager である Stephen Partridge 氏によると、今後は、Adobe 社は多くのインプリメンタの中の一社という位置付けとなるようだ。



今まで Adobe 社の技術は、「純正」という名称で、他社の技術と差別化が図られてきた。 仕様を自社で決めることができた為、競合他社が最新の PDF 仕様に対応できるまでの間、独占的に最新 PDF 仕様に対応した製品をいち早く市場に投入できた。 しかしながら、標準化プロセスを通して標準化された PDF 仕様を今後採用していくのであれば、今後上記の優位制は失われることになるかもしれない。



詳細は、Acrobat の Business Development Manager である Stephen Partridge 氏のブログを参照してください。



http://blogs.adobe.com/spartacusacrobat/2008/01/pdf_iso_standard.html



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