Global Graphics、来年もpage2012展に出展

Global Graphicsは来年もPAGE展に出展する予定で、先日JAGATで行われた説明会に出席してきました。先ず、PAGE2012のロゴが大文字のPAGEから小文字のpageに変わり、page2012になるそうです。出展社数は120社(予定)とのことですが、残念ながらPAGE2011の実績を若干下回っています。 今回のpage2012展のテーマは、「PAGEからpageへ - ePowerで新領域へ」とのことで、その意味は、既存の価値観が通用しなくなり、小ロットへの対応をデジタルの力で解決する事を意味しているようです。今後「デジタル印刷」と「電子書籍」の比重を高めていくそうですです。 Global Graphicsは数年前からデジタル印刷と電子ドキュメントに狙いを定め研究・開発をしてきましたが、世の中がやっと追いついてきたかなと感じており、Global Graphicsの技術がOEM各社のニーズにマッチできるものと確信しております。page2012では、ここ数年来の研究・開発の成果をお見せする場になるものと今から楽しみです。

デジタル印刷で求められるマルチビットスクリーニング

デジタル印刷機用のRIPには、非常に高い次元の高速性が求められる事は前に述べた通りですが、もう一つ最近富に増えている要求はマルチビットスクリーニング対応です。



デジタル印刷機では、オフセット印刷で通常用いられる高解像度の1-bitスクリーニングでの高品質ラスタ生成能力ではなく、おおよそ600-1200dpiといった解像度レンジにおける高速・高品質印刷能力が求められます。 この解像度で高い出力品質を得るため、マルチビットスクリーニング対応が求められるケースも増えております。



Harlequin RIPでは、従来からHarlequin Dispersed Screening (HDS)と呼ばれる、1-bitのFMスクリーニングに対応しており、ハイエンドグラフィック市場で広く使われてきましたが、Harlequin Host Renderer SDK v2.0r3では、2-bitと4-bitのin-RIPのHarlequin Dispersed Screening (HDS)スクリーニングにIn-RIPで対応しました。RIPが2-bitや4-bitでページラスタを直接生成しますので、8-bitのコントーンでRIPにラスタ出力させ、RIP処理の後でスクリーニングを行わせる方式に比べ、ページラスタデータ量を格段に小さくできるので、In-RIPでスクリーニング処理を行うことは特に超高速のデジタル印刷機では大変重要な技術要件です。Harlequin Host Rendere SDKでは、2-bitと4-bitでそれぞれ5種類のマルチビットHDSスクリーンを標準で用意しております。 更にOEMのマルチビットスクリーニングを組み込むための仕組みがRIPの拡張機能として用意されているので、OEMの自社スクリーニングIPを統合することができます。 またHarlequin Host Renderer SDKでは、ページオブジェクトのタイプ毎に異なる、スクリーニングとカラーマネジメントを適用できます。他社の製品と、性能と画像品質で差別化が可能となります。

内部PDFリテインドラスタと外部PDFリテインドラスタ

前ブログ記事で、PDFリテインドラスタの説明をしましたが、実はPDFリテインドラスタには、内部PDFリテインドラスタと、外部PDFリテインドラスタの二種類があります。内部PDFリテインドラスタは、ページの合成処理まですべてソフトウエアで処理する方式です。一方、外部PDFリテインドラスタは、ページの合成処理をRIP外部のハードウエアで行う方式です。外部PDFリテインドラスタを用いると更に処理速度を高めることが可能となります。Global Graphics はハードウエアの提供は行いませんが、外部PDFリテインドラスタはOEMにおいて更なる高速化による差別化へ向け仕組みを提供するものです。

デジタル印刷に求められるRIP速度と機能

最近お会いするお客様から、サイクリングが趣味なんですかと聞かれることがとても増えています。 結構ブログを見ていただいている方がおられるようで、そう言っていただけると少し嬉しくなります。今週ある雑誌社から取材を受けました。デジタル印刷に関連した話をしてほしいとのことだったので、「デジタル印刷に求められるRIP速度と機能」というテーマで話をさせていただきました。 最近富にデジタル印刷用のRIPの引き合いが増えており、100PPMを超すクラスのライトプロダクション市場向けの印刷機と、150m/分クラスの超高速デジタル印刷機用のRIPシステムの引き合いが増えています。 話を聞くと、開発中の印刷機の処理速度に必要となる処理性能を発揮できるRIPソリューションがなかなか見つからず、Harlequin RIPの高速性に期待しているとの事でした。当社の長年に渡るRIP高速化の取組がようやく評価されてきたように感じます。



RIPの処理速度の改善は、マルチコアCPU上でいかにRIP処理プロセスを細分化し、マルチスレッドで分散処理できるかが高速化の一つの重要な鍵になっています。 ただし150m/分クラスの印刷機では、3,000PPMレベルの処理速度が求められ、単にマルチスレッド処理だけではこの速度に到達できません。 そこで、このクラスの印刷機ではマルチRIPによる高速化が行われており、数十RIPから百を超えるRIPを同時並行的に走らせ数十~百倍の高速化を実現しています。



もう一つデジタル印刷で重要な技術要素は、如何にバリアブルデータジョブを高速に処理できるかです。 Harlequin RIPではPDFリテインドラスタという機能に対応しており、たとえば1万ページある印刷ジョブの共通ページオブジェクト、頻度が高く出現するページオブジェクト、そして毎ページ異なるページオブジェクトをRIP内で自動的に識別し、最初に現れた共通もしくは頻度の高いページオブジェクトに対するラスターイメージをRIP内部でキャッシュしておき、二回目以降はそのキャッシュされたイメージを高速にコピーし、毎ページ変わるページオブジェクトのみをRIP処理して、高速にそれらラスタイメージのパーツを合成することで高速にページを生成する機能に対応しております。 この機能を用いると、通常のPDFベースの印刷ジョブで、RIP処理速度を格段に高めることが可能となります。