デジタル印刷で注目されるHarlequin RIPの高性能

印刷不況の時代と言われて久しいが、100~150ppmクラスのライトプロダクション印刷市場向けのPOD機用と、75~150m/分クラスの超高速デジタル印刷市場向けの印刷機用RIPの引き合いが今活況を呈しています。この市場の印刷機がRIPに求める要件は、如何に高い品質と高い処理性能が低コストで実現できるかです。



市場は、前ブログでコメントしたように、印刷の一部が紙媒体への印刷から電子媒体への印刷に移行しておりますが、紙媒体の印刷物でも従来のオフセット印刷を用いた大量印刷から、小ロットのオンデマンド印刷に移行してきています。さらにオンデマンド印刷の特徴を活かした、パーソナライズされた印刷物(トランスプロモ、トランザクション印刷等)の作成能力が、サービスプロバイダで他社との差別化の為に、もしくは付加価値の面で求められています。既にサービスビューロでは、Excelファイルを提供することにより、ダイレクトメールの発送まで行うサービスを提供しているので、Excelファイルの中に顧客の嗜好や担当営業等の情報を加えれば、パーソナライズされた印刷物を作成することは技術的に難しいことではありません。



※ 高い品質
最新の高速デジタル印刷機の印刷テクノロジの多くはインクジェット技術をベースにしており、如何に低い解像度と使用するインクとメディアの組み合わせで高い印刷品質を提供できるかが鍵となります。 次期 Harlequin Host Renderer RIP v3.0では、マルチビットスクリーニングにIn-RIPで対応できるので、高い出力品質を低い解像度で、かつ高速に対応するこが可能となりました。勿論、Harlequin Host Renderer RIPでは、グラフィックアート市場で実績のあるHarlequin RIPの、カラーマネージメント、スクリーニング、トラッピングオプションが使えるので、実績ある技術をベースに製品化をしていただけます。また、PDL仕様への準拠性も気になる所ですが、Global Graphicsは業界標準を策定する団体や協会において常に積極的な役割を演じております。今日、Global GraphicsのChief Technology Officer(CTO)は、PDF、PDF/A(電子ドキュメントの保存に関する標準)、PDF/VT(バリアブルデータ印刷ワークフローにおけるPDF使用に関する標準)に対するISO (International Standards Organization)のUK代表でありエクスパートです。同時に、Global Graphicsは、幾つかの生成アプリケーションが標準に準拠しないファイルを生成することをよく理解しており、Harlequin Host Renderer RIPはまたそのようなツールから生成されるさまざまな出力ファイルにも互換性があるように設計されております。このように準拠性と互換性の両方に重点を置いて設計されているので、すべての印刷ジョブに渡り傑出した出力品質を提供します。



※ 高い処理性能
Harlequin Host Renderer RIPでは、同時ページ(Concurrent Pages)処理を含め多くのマルチスレッド処理の最適化が実施されており、シングルRIP構成においてもかなりの処理速度の改善がもたらされます。このように大幅に強化されたマルチスレッド処理が、ワークステーションとサーバーグレードのマルチコアCPUのポテンシャルを最大限絞り出します。さらに(内部)PDFリテインドラスタを用いると、通常の最適化されたPDFを用いて、バリアブルデータ印刷の処理速度を飛躍的に高めることが出来ます。 内部PDFリテインドラスタでは、すべての高速化処理がRIP内部で行われるため、高速化に際しOEMは何も開発する必要がありません。また新たにサポートされた外部PDFリテインドラスタでは、OEMの外部ハードウエアを使用し更なる高速化に対応できますので、スケーラブルなソリューションの構築が可能です。page2012では、マルチRIP構成の64-bit版のHarlequin Host Renderer RIPを、64-bitのLinux上で動作させ、3500PPMのRIP処理性能をデモいたします。

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