デジタル印刷に求められるRIP速度と機能

最近お会いするお客様から、サイクリングが趣味なんですかと聞かれることがとても増えています。 結構ブログを見ていただいている方がおられるようで、そう言っていただけると少し嬉しくなります。今週ある雑誌社から取材を受けました。デジタル印刷に関連した話をしてほしいとのことだったので、「デジタル印刷に求められるRIP速度と機能」というテーマで話をさせていただきました。 最近富にデジタル印刷用のRIPの引き合いが増えており、100PPMを超すクラスのライトプロダクション市場向けの印刷機と、150m/分クラスの超高速デジタル印刷機用のRIPシステムの引き合いが増えています。 話を聞くと、開発中の印刷機の処理速度に必要となる処理性能を発揮できるRIPソリューションがなかなか見つからず、Harlequin RIPの高速性に期待しているとの事でした。当社の長年に渡るRIP高速化の取組がようやく評価されてきたように感じます。



RIPの処理速度の改善は、マルチコアCPU上でいかにRIP処理プロセスを細分化し、マルチスレッドで分散処理できるかが高速化の一つの重要な鍵になっています。 ただし150m/分クラスの印刷機では、3,000PPMレベルの処理速度が求められ、単にマルチスレッド処理だけではこの速度に到達できません。 そこで、このクラスの印刷機ではマルチRIPによる高速化が行われており、数十RIPから百を超えるRIPを同時並行的に走らせ数十~百倍の高速化を実現しています。



もう一つデジタル印刷で重要な技術要素は、如何にバリアブルデータジョブを高速に処理できるかです。 Harlequin RIPではPDFリテインドラスタという機能に対応しており、たとえば1万ページある印刷ジョブの共通ページオブジェクト、頻度が高く出現するページオブジェクト、そして毎ページ異なるページオブジェクトをRIP内で自動的に識別し、最初に現れた共通もしくは頻度の高いページオブジェクトに対するラスターイメージをRIP内部でキャッシュしておき、二回目以降はそのキャッシュされたイメージを高速にコピーし、毎ページ変わるページオブジェクトのみをRIP処理して、高速にそれらラスタイメージのパーツを合成することで高速にページを生成する機能に対応しております。 この機能を用いると、通常のPDFベースの印刷ジョブで、RIP処理速度を格段に高めることが可能となります。

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