eDocument Library の機能
今回は、Global Graphics の eDocument Library (EDL) を紹介する。先のブログで紹介した同社の gDoc Fusion は、この EDL をベースにして開発された。EDL の主要な機能は、PDL の形式変換、ページレベルとオブジェクトレベルの操作、そしてページのラスタイメージ生成機能である。EDL の形式変換は、Document Object Model (DOM) と呼ばれる中間形式を通しての変換となる。入力形式から DOM 形式への変換は、インポーターフィルタを通して変換される。一方、DOM 形式から出力形式への変換は、エクスポーターフィルタを通して変換される。EDL では、PostScript、PDF、そして XPS のインポーターフィルタが、また PDF、PostScript、PCL、XPS 形式へのエクスポーターフィルタが用意されている。DOM 形式が公開されているので、カスタムのインポーターフィルタやエクスポーターフィルタを自社で開発し追加できるので、自社形式との変換機能を追加することができる。操作機能には、ページ単位での操作を提供するページレベルの操作と、ページ内の各オブジェクトに対するアクセスを提供するオブジェクトレベルの操作の両方が含まれる。 操作処理は、コア API を通して指令され、自社開発のプログラムから各種操作を制御できる。EDL には、同社の Harlequin RIP が搭載されており、サムネール用の低解像度ラスタイメージや高解像度プレビュー用のラスタイメージが生成できる。
EDL の利用例:
マイグレーションの一環で、旧ドキュメント形式に変換するために、作業用ドキュメント形式を保存用形式に変換するために、外部組織から送られてきたドキュメント形式を作業用形式に変換するために、また公共機関のような他の組織へ転送する時に規定の形式に変換するために、EDL が利用できます。
PostScript、PDF、もしくは XPS 形式を、プリプレスの標準形式である PDF/X 形式に変換するときに、EDL が利用できます。
プリンタドライバでは、GDI や XPS 形式をプリンタが解釈できる PDL 形式に変換する必用があるが、そこで EDL が利用できます。
EDL のインポーターフィルタで入力形式を内部 DOM 形式に変換した後、自社アプリケーションに入力ドキュメントを取り込むことができる。自社アプリケーション内でさまざまな操作を行った後、DOM 形式に変換し、EDL のエクスポータフィルタを用いて、指定された形式で出力することができる。もしくは、自社独自形式間のインポーターフィルタとエクスポーターフィルタを開発することでも対応可能だ。
任意の数のデーターレコードと固定テンプレートを EDL に送ることにより、固定テンプレートと可変(バリアブル)データーとをマージしながら、データーレコード分のページを PDF、PDF/A、PDF/X、XPS 形式で出力できる。
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