印刷業界の開発トレンド
百年に一度の不況と呼ばれる状況の中、多くの先進的な企業で、新しい付加価値を持つ新製品の開発や、新しいビジネスモデルの開拓が水面下で進行している。
世の中を見渡すと、印刷・出版・新聞業界だけでなく、テレビ業界といった「画一的」な情報配信を行う業態で激しさが増しているように思える。これは、単に米国のサブプライムローン問題に端を発した金融市場の混乱からの影響ではなく、むしろ技術革新を背景としたニーズの変化に原因があると思われる。
印刷業界では、画一的な情報の大量印刷・大量配布の時代は終わり、必要な時に必用な部数を印刷する POD、顧客のニーズに応じて提供する情報を特化させるバリアブル印刷やトランスプロモ印刷に脚光が集まっており、顧客データーベースを活用した印刷物が増えている。
一方、POP や大判印刷による屋内サインは、デジタルサイネージを用いたダイナミックでインタラクティブな媒体にシフトしてきている。こちらもまた、顧客データーベースからの情報を活用し、必用な情報を必用な人にタイムリーに提供することが求められてきている。
高速デジタル印刷機の市場は、戦国時代に突入した。商業印刷の機器メーカーと複写機メーカーらが、この市場に参入している。しかしながら、数千 PPM の高速性と商業印刷の印刷品質を両立することは容易なことではない。マルチ CPU コアによるマルチ RIP の制御が求められることは勿論の事、その上で、商業印刷の出力品質を実現しなければならなからだ。しかしながら、既に100 RIP を超える並列処理が実現されている。
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