デジタル印刷と可変印刷技術

ダイレクトメールの世界では、大量印刷・大量配布をベースとした物量手法から顧客データベースからの情報を元に、デジタル印刷の特徴を活かしたより効率的な One-to-One マーケティング手法に代わりつつある。これを可能にしたのが、デジタル印刷と可変印刷(バリアブル印刷)技術だ。



デジタル印刷機は高速化・高品質化(含むカラー化)が進み、ショートラン印刷・短納期といった自身の特徴を活かした市場のみならず、可変印刷を駆使した新しい市場を開拓しながら伸びていくものと期待される。



ここでボトルネックとなるのが、RIP 処理速度だ。当然なこととして、印刷処理よりも高速に RIP 処理が行われることが求められ、それを実現するための技術が必用となる。マルチプロセッサ環境における、パイプライン・プロセス、マルチスレッド・レンダリングなどの同時処理技術、さらには、多くの RIP 間で印刷ジョブの分散処理を行う 仕組みが求められている。既に 10 台以上の PC 上で複数の RIP を同時に走らせることも行われており、100 を超える RIP での分散処理も進められている。



一方、可変印刷(バリアブル印刷)では、固定データ部分を、ラスタとしてキャッシュし、再利用することにより高速に RIP 処理することが求められている。 トランザクション印刷やトランスプロモ印刷で使用されている技術だ。トランスプロモ印刷では、顧客データベースからの情報により、何種類もの固定データーを張り替えるケースがあり、高い柔軟性が求められる。方式的には、PPML や PDF/VT(まだ標準化の最中)等の可変印刷用の PDL 形式を用いるもの、自社形式を用いるもの、さらには 通常の PDF を用いながらも、RIP 側で自動的に固定データーとバリアブルデーターを識別するもの等がある。

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