業界規格の標準化への流れ
Microsoft 社は、10 月 22 日、EU 競争法(独占禁止法)を巡り、欧州委員会の是正命令をほぼ全面的に順守することで欧州委と合意した。 合意には、ライバル社へ技術情報を開示することや、特許使用料の大幅引き下げが盛り込まれる。これにより、基本ソフトウエアではない一部のソフトウエアを OS から分離したり、十分な技術情報の開示が求められることになりそうだ。かつて Office 2007 に搭載予定であった PDF 形式と XPS 形式でのファイル書き出し機能が、Adobe Systems 社からの強い要請により、外さることになったことも記憶に新しい。OS で圧倒的なシェアを持つ企業にも多くの悩みはあるようだ。
一方 XPS 仕様の標準化が ECMA International の TC46 委員会で進められ、HD Photo (以前 Windows Media Photo もしくは WM Photo と呼ばれていた) が、Joint Photographic Expert Group (JPEG) により JPEG XR として標準化の検討が進められている。一方、Adobe Systems 社は、PDF 1.7 仕様の標準化を考えているようであり、この仕様のすべてを AIIM に譲渡し、ISO による標準化を目指しているようだ。また PDF のサブセットである PDF/X (PDF for Exchange) や PDF/A (PDF for Archive) は、既に ISO で標準規格となっている。このように、多くの業界規格は、標準化の流れにあり、今後はオープンな規格をベースとした競争が激化するものと思われる。
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