萩さん日記
デジタル印刷と電子ドキュメントの新潮流
WCS とは何か

Windows の Windows Color System (WCS) は、Windows Vista で採用された次世代の Color Management System (CMS) だ。WCS は、カラーに Appearance Modeling アプローチを採用し、現在殆んどの CMS で採用されている ICC プロファイル ベースのカラー マネージメントに対抗するものだ。WCS は、キヤノンの「Kyuanos(キュアノス)」というカラー マネージメント技術をベースに開発されたものだが、具体的にどの部分を使用したかについては公表されていない。Windows 2000 と XP では、Image Color Management (ICM) と呼ばれる「ライノタイプ社」からライセンスされた色変換エンジンを使用し、ICC プロファイルをベースにした CMS を搭載しているが、理解の難しさ、期待される結果を得るための ICC プロファイルを作成することの難しさ、そしてなかなか改修されなかったバグの為に、あまり普及していない。その結果、プロフェッショナル アプリケーションは独自の CMS を使用したり、その他多くのアプリケーションでは、業界標準の sRGB を暗黙のディフォルトカラースペースとして運営してていた。WCS は、この状況を打破しその他の問題点を解消する目的で開発されたものと思われる。一方で、マイクロソフトは、従来の ICM2 のバグを改修し、ICM version 3 にアップグレードし、ICC version 4 プロファイルを使えるようにした。



論理的に、Apperance Modeling を採用することにより、改善されたカラー レンディションを商業印刷にもたらすことができ、たとえばカラーが他のガモットに変換されトーン スケールの圧縮が発生する場合、または CMYK から CMYK への変換において黒チャネルを保持しなければならない場合などにおける幾つかの不確実性を排除できる。しかしながら、現行の WCS には、プロフェッショナルな印刷と、家庭でポピュラーになりつつある写真印刷におけるカラー印刷出力品質を求める部分で、幾つかの問題がある。



■ 多くのプロフェッショナルな印刷現場では、印刷時のインクの Total Area Coverage (TAC) は、コストを削減する目的で、もしくは用紙の伸びなどの物理的な問題を回避するために意図的的に制限される。これは、多くのインク色を混合しなければならない箇所においてインクの流れの問題を引き起こすインクジェット プリンタで特に重要なことだ。WCS では、このインクの制限を加えることは対応できていないようだ。



■ たとえば、パッケージング用の印刷デバイス、高品質プロフェッショナル印刷機 (Hexachrome)、多くのデジタルプロダクション印刷機、もしくは家庭の写真印刷用のインクジェットプリンタ (N-Color) など、4 色以上のインクを使用するディバイスを制御することができないようだ。



WCS プロファイルは ICC プロファイルとファイル形式上の互換性はない。WCS プロファイルは、XML ベースであり、よりシンプルな形式だ。Vista の実装においては、WCS プロファイルは ICC プロファイルに変換することができ、WcsProfilesTag (Windows color spece profiles tag) と呼ばれる Microsoft ICC プライベート タグ (タグ シグネチャーは、"MS00") を用いて ICC プロファイルの中に埋め込むことができる。このようにして、WCS プロファイルを埋め込んで使用することにより、殆んどの場合同等の出力結果を得ることができる。これは、WCS を直接サポートしていない製品でも品質的に許容できるレベルの出力品質を得ることができるという利便性をもたらす。その一方で、異なるツールそしてプリンター間で、違いが発生するかもしれない。



WCS には、大変有能なカラー マネージメント上の利益がある。また、従来の ICM ベースのワークフローにフィットさせる能力や、迅速に WCS モードに切り替える変換機能がある。WCS は、将来性に期待が持てる形式ではあるが、しばらくの間はコンシューマーレベルのディバイスに限られそうだ。



以下 Web サイトに、有用な情報があります。
www.colorwiki.com/wiki/Vista's_New_Color_Management_System_-_WCS



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