WinHEC 2006

昨年に引き続き米国ワシントン州シアトルで開催された Windows Hardware Engineering Conference (WinHEC) 2006 に参加したが、今年は何とか基調講演に参加する時間が持てた。



XPS (XML Paper Specification; 旧 Metro) に関しては、昨年の WinHEC 2005 に比べ、サプライズは少なかったように思う。 ブースセクションでは、複写機でスキャンしたペーパードキュメントを XPS 形式に変換するというデモをしていた。 また、Global Graphics が、マルチプラットフォーム環境における XPS のネイティブ印刷のデモをしていた。 



GDI プリントパスから XPS プリントパスへの進化は、Windows の印刷プロセスの一つの大きな革命であり、しかもスクラップ&ビルド方式の革命となる。 ただし、従来の GDI ベースの印刷も XPS to GDI Conversion の仕組みを通すことにより XPSDrv プリント ドライバで使用できるようではあるが、XPS で強化されたメリットが欠落してしまうことになり、推奨できない。



さらに XPS は、単なる印刷のスプーラーフォーマットとしてだけではなく、電子ドキュメントの形式としても使用されるように設計されており、Vista 上で生成された XPS 形式のドキュメントが、電子メールに添付、Web サイトからのダウンロード等で使用されるようになるものと考えられる。 XPS ファイルの受け手は、Vista に標準添付される XPS ビューワで XPS ドキュメントを閲覧することができる。 Office 2007 は、XPS ファイルを出力する最初のメジャーなアプリケーションとなる。



これまで Vista に限定して話をしたが、実は WinFX は、Windows Vista だけではなく、WinFX Runtime Components をインストールすることにより、Windows 2003 Server SP1 や Windows XP SP2 でも使用可能となり、WPF 対応のアプリケーションは、これらレガシーOS 上でも使用可能となる。 WinFX Runtime Components の重さと、新しい WPF アプリケーションの魅力にもよるが、レガシー Windows 上でも XPS 形式が急速に広まるかもしれない。



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