PDF 2.0の採用メリットと採用しない場合のリスク

 PDF 2.0 (ISO32000-2)仕様がまもなくISOにより発行される見通しであり、グローバルグラフィックスのHarlequin RIPでもPDF 2.0対応を進めております。 既に評価版のリリースが開始されております。

 PDF 2.0には、既存機能の拡張機能とともに、多くの新機能が備わっています。その中には、さまざまな用途に幅広く適用できるものや、特定の市場セクターに多大なメリットをもたらすものもあります。 

 PDF 2.0で重視されているのは、新機能だけではありません。曖昧さと実装依存の箇所を排除するためにも、多大な労力が費やされています。 このため、標準に準拠する異なるベンダー製のPDF処理ソフトの動作は、これまでよりも類似性が高まります。経験上、旧製品では競争に太刀打ちできなくなります。

 PDF 2.0は、幅広い下位互換性を持つよう設計されていますが、古いPDF処理ソフトでは新機能を処理できません。たとえば、新しいページレベルの出力インテントは、PDF 1.7リーダーではエラーを出すことなく無視されるため、許容できない色が出力されることもあります。印刷業者は、当初はPDF 1.7以前のファイルに限定するとしても、最終的にはPDF 2.0ファイルに対応する製品にアップグレードしてリスクを取り除く道を選ぶことになります。

 PDFの生成、編集、表示、印刷を行うソフトウエアの開発は各社が独自に進めており、相互運用性に懸念があります。そこでPDF 2.0の相互運用性を確保する為に、無料のPDF Association 相互運用性ワークショップが企画されております。 そのワークショップの冊子を page2017 のグローバルグラフィックスブース(D-35)で配布します。

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