大幅に性能強化されたJaws 3.0

グローバルグラフィックスは、JawsとHarlequinという2つのRIPコアを持つ企業である。私の知る限り複数のRIPコアを持つ企業は世界中に他に存在しない。 そもそもこれらRIPは5D Solution LimitedとHarlequin Ltdという異なる英国企業が開発したRIPコアであり、特長も得意とするマーケットも異なっていた。これらRIP技術は2000年前後に相次いで、部門買収もしくは企業買収によりGlobal Graphics Softwareが取得した。 当初一企業が2つの異なるRIPコアを持つことはナンセンスでありコスト的に厳しいとの意見が多く、これら2つのRIPを統合していく意向があった。 しかしながら、特長と得意とするマーケットが全くことなることから、これを断念し、現在はJawsそしてHarlequinの両RIPをそれぞれのアーキテクチャの特徴を活かした形で強化している。 したがって、強化の手法に関しては、必ずしも同じではない。Jawsに関しては、昨年メジャーアップグレードとなるJaws 3.0がリリースされ、特に処理性能の観点で極めて大幅に強化されている。 以下Jaws 3.0の強化項目をリストします。

- PDF内部の16ページまでを同時並行処理 (有償オプション)
- 16ジョブまでジョブを同時並行処理 (有償オプション)
- 透明ブレンディングやカラースペース変換を含む多くの処理をマルチスレッディングで処理
- スループット改善のために多くの内部プロセスを最適化
- 64-bit ネイティブ対応で2GB を超えるファイルをサポート
- 16-bit ブレンドのサポート
- 透明タイリング処理の改良(タイルサイズをダイナミックに選択)
- 事前にディスプレイリストをダウンサンプリング(オプション)
- 大きなカンバスのサポート
- 欧文フォントエミュレーションのサポート

特にPDF内部の16ページまでを同時並行処理する機能は有償オプションながら、今流行りのマルチコアCPUを搭載したPC上で用いることにより簡単に数倍のパフォーマンスを得ることができる。 同時並行処理するページ数やスレッドの数はディフォルト(自動)を用いることも、独自に設定することも可能だ。 既存のJaws OEMは、アップグレードをご検討されることを推奨します。

Jaws3

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