カラーマネジメントを適用する箇所

 これまでに、ラベル印刷を目途とした「拡張色域印刷に最適なPDFの作成ヒント」と、「3Dシミュレーションで変わるデザイン業界と承認プロセス」に関して話をしてきました。 今回は、作成したデザインがブランドオーナー様からめでたく承認された後、印刷会社にPDFジョブが入稿された後の話を進めてまいります。

 最初に検討しなくてはならないのは、入稿されたPDFが「RGBベース」もしくは従来の「CMYKベース」を拡張した「RGBベース」&「CMYKベース」のハイブリッド構成のPDFで作成されたPDFであるかを問わず、PDF内部オブジェクトのカラースペースが、印刷機のカラースペースでは無いので、どこかの時点でカラーマネージメントを適用する必要があります。

 ここで、以下2つの選択肢について説明します。

※ Case 1: 入稿されたPDFに即カラーマネジメントを適用し、最適化PDFを作成する。
 ● ZePrAを用いたデバイスリンクプロファイルベースのハイエンドなカラーマネージメント、PCS経由のカラー変換にも対応可能
  ・ Smart Linkが必要となるデバイスリンクプロファイルをオンザフライで自動生成
  ・ オーバープリントや透明処理を含むPDFを、分割・統合PDFに変換できる 
  ・ さまざまな特色変換オプション(特色ライブラリ、特色ライブラリの作成/編集、PDFの代替Lab色、埋め込まれたCxFデータ等)
 ● ColorAnt, CoPrAで、高品質なプリンタプロファイルを作成
  ・ マルチカラープロファイルを生成しマルチカラー印刷(6色ビビッドカラーや7色RGB印刷等)が可能
  ・ インクセーブプロファイルを作成可能
  ・ リニアライズ
  ・ さまざまなプロファイル生成オプション:知覚レンダリング、測定処理、色生成、黒点とTAC値制御

Case 1

※ Case 2: RIP処理の中でカラーマネジメントを適用する。
 ● PCSを通したシンプルなカラーマネージメントに最適
 ● RIP内処理で特色をCMYKに変換して印刷
 ● 特定ケースで、RIP内でもデバイスリンクプロファイルに対応可能
 ● ColorAnt, CoPrAで、高品質なプリンタとデバイスリンクプロファイルを作成
  ・ マルチカラープロファイルを生成しマルチカラー印刷(6色ビビッドカラーや7色RGB印刷等)が可能
  ・ インクセーブプロファイルを作成可能
  ・ リニアライズ
  ・ さまざまなプロファイル生成オプション:知覚レンダリング、測定処理、色生成、黒点とTAC値制御

Case 2

 選択のポイントは、プロフェッショナルなカラー制御を希望する場合はCase 1を、コスト的に優しいシンプルなカラー制御を希望する場合はCase 2になるかと思います。

 次回は、STEPZ/PACKZを利用したVDPジョブの生成と面付けの例を紹介します。

コメント

非公開コメント